社長メッセージ

大同信号は「鉄道信号システム」に関する「ものづくり」の会社です。
私たちの暮らしを支えている鉄道はさまざまな部門の技術の集合体です。駅設備は顔、線路設備は骨格、車両設備は血液というように鉄道システムを人間の体に例えていうと、大同信号が取り扱っている鉄道信号システムは脳神経系の役割を担っています。

皆さんに最も身近な製品としては踏切保安設備があります。大同信号およびグループ会社では、音と赤色灯で警報する踏切警報器、車や通行人を遮断する踏切遮断機、およびこれらを列車の動きに作動させるシステムを作っていますが、これらはさながら聴覚と反射神経によって動く人間の手足のようです。さらに、踏切内での車の立往生を検知して列車運転士に危険を知らせるシステムや、踏切待ちの通行者にできるだけご迷惑をおかけしないように「賢い制御」を行うシステムなど、視覚神経や大脳に例えられる機能を付加して踏切の安全度をよりいっそう高める設備を実用化し、さらに開発を進めています。

また、線区全体の列車運行管理を行うCTC(列車集中制御装置)やPRC(自動進路制御装置)などのオンライン制御システムの提案や構築も手がけています。これらのシステムは各線区の運行の安全・安定輸送確保という効果に加え、集中化・自動化など業務運営の効率的による鉄道事業者の経営改善にも貢献しています。


難しいけれど、やりがいのある仕事


大同信号の主なお客さまはJR各社をはじめ、日本全国の数多くの鉄道事業者です。最近ではアジア圏などの海外から受注も増えてきました。日本の鉄道会社は各技術分野において世界有数の技術を有しており、お客さまからは当然ながらトップクラスの技術と高い信頼性を兼ね備えた製品の提供を求められています。これにお応えするため、私たちは高度な技術を組み込んだ製品開発に常に取組んでいます。

信号システムで最も重要なのは安全性です。ほとんどの信号システムではシステム内に何らかの異常が発生すると列車を停止させる信号を出力して安全を確保する設計となっています。しかしシステム内の部分故障が発生したり、あるいは正常作動にもかかわらず過剰に異常を検知したりするとダイヤ通りに列車運行を継続することができなくなり、多くのお客さまにご迷惑をおかけしてしまいます。そのような事態を避けるため、信頼性の高い設計、厳格な品質管理、徹底した安全性審査などを各部門それぞれが責任を持って実施することによって、なかなか難しい「安全性と信頼性の両立」を実現しています。

伝承と変革の共存

大同信号は典型的なB to Bの会社で、一般消費者と接する機会はほとんどありませんが、鉄道という巨大インフラを支えている大きな使命を持った会社です。その製品の多くは生産機械による大量生産ではなく熟練技能者たちの手による多品種少量の受注生産品であるため、ベテランの先輩社員のノウハウ・技術力・営業力の伝承を大切にしています。このため専用の研修センター施設における豊富な研修プログラムを用意するなど、社員一人ひとりを大事にして自己実現と働きやすい環境の整備を心掛けています。

その一方で鉄道信号システム業界は市場の国際化と時代のニーズの変化、さらには5Gのような基盤技術の革新など新しい時代を迎えつつあります。伝承の力に新しい知識と価値観を付加して自分の成長にチャレンジし続けることができるファイトのある皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。



代表取締役社長 佐藤 盛三